「地味だけど『ほっとする』食べ方」という本の感想
いろいろな病気の予防法を調べていたのですが、結局たいていの病気の予防法は同じなんだなあ、と思いました。すなわち
・バランスの取れた食生活
・適度な運動
・十分な睡眠
・ストレスをためず明るい気持ちで暮らす
・禁煙
個別に病気の予防を考えるよりは、これらの点に気をつけて健康を保っていれば、ほとんどの病気の予防につながるので、まずはこれを基本として、あとはケースバイケースの対応をするのが良いかな、と思います。
それでそのうちのひとつ「食生活」について、私的に大変興味深くためになった本があったのでご紹介します。
地味だけど「ほっとする」食べ方(圓尾和紀/ワニブックス)
この本の著者は、管理栄養士のかたとのこと。
内容としては昨今の西洋化された食生活ではなく、日本古来の一汁一菜とかニ菜とかいう食事(和ごはん)が日本人には合っているのではないか、という提案です。
この本の中で私がなるほどと思った点のひとつは「ハレ」と「ケ」という日本古来の考え方。
「ハレ」とはお祭りやお正月等の今で言うイベントのこと。こういった特別な日にはご馳走を食べてお祝いしたり楽しんだりします。
それに対して「ケ」はいつもの日常のこと。「ケ」の日には豪華な美食でなく、身体を整える「守りの食事」を摂るべきとのことなんですが、今の日本では「ケ」の日から「ハレ」の日のようなご馳走を食べているということです。
例えば、子どもが好きなハンバーグやグラタン、カレーなんかも本来は「ハレ」の料理だそうで、これではカロリーも高すぎるし、身体に負担をかけてしまうとのことです。
確かに私にしてもトンカツや〜、ラーメンや〜、中華や〜て感じで、毎日美味しいものを食べよう食べようとしています。まあ、それはそれで楽しいことではあるんですが、よく考えたら、毎日そこまで必死にならなくてもいいと思いますし、普通に食べ過ぎだよな〜、と思います。
ですんで、「ケ」の日はごはんと味噌汁とかホッとできる素朴なもので体を整えて、たまの「ハレ」の日にご馳走を食べるというメリハリはいいかもな、と思いました。
あともうひとつ思ったのは味噌汁って案外簡単にできるんだなあ、という事です。
特にダシを取るのがめんどくさそうに思っていたのですが、この本にのってる方法だとかなり楽ですね。
あまり料理ができない私でも作ることができました。
エノキと白菜と玉ねぎの味噌汁。冷蔵庫にあったものを適当にぶち込んだだけ。
具だくさんにすることと具を大きめに切って入れるのがポイント。
噛む回数が増えるため、食べ過ぎを防いでくれるとのことです。
ただ少し注意しないといけないかなと思ったのが、体に良いと言われている和食ですが、塩分が多くなりがちという欠点があります。
厚生労働省によって定められた日本人の塩分摂取目標量は成人男性8.0g未満、成人女性7.0g未満。血圧の高いひとだと5〜6g未満になります。
味噌汁1杯に含まれる塩分は1.2g、それに漬物や焼き魚に含まれる塩分、そこに醤油でもかけるとけっこうな塩分量になりますし、そういった食事を日に2回、あと1回を塩分が高くなりがちな外食にでもしてしまうと、軽く摂取目標を超えてしまいそうです。
特に血圧の高い人なんかは減塩味噌や減塩の調味料を使うとか、うす味にするとか、それなりの工夫は必要そうです。
そういう注意点はありながらも、ごはんと味噌汁を中心とした素朴な「和ごはん」とはいいものだなあとこの本を読んで思ったし、他にも食材についてや調味料について、みそ汁やおかずのレシピなど、まだまだためになることが書いてあったので、いい本だなあと思ったし、私も実践していきたいもんだ、と思いました。